ボルボ仲間 - 訪問記/Visiting

〜 1800Eオーナーの羽澤さん 〜


1972年登録ボルボ1800

羽澤さんは本格的なオーディオファンでもあります

このほど、私のゲストブックがご縁でオーディオ談義させていただいている(09/07/98はざわさん09/07/98岡村など)、ボルボ1800Eオーナーの羽澤さんのお宅をお訪ねいたしました。 羽澤さんは都内にオフィスを持つコンピュータ関連会社の代表をされている方で、本格的なオーディオファンでもいらっしゃいます。 今回お訪ねしたのは、1800Eを拝見させていただくことはもちろんでしたが、オーディオが好きな私としては羽澤さんの音を聴かせていただくことの方が大きな目的となってしまいました。 タンノイのウェストミンスターをマークレビンソンで鳴らされていると知って、じっとしていられなくなってしまったのです。

はじめて見る1800Eはとても美しかった

1800Eの前で。左が羽澤さん
1800Eの前で
お言葉に甘えて快晴の土曜日の昼過ぎ、神奈川県大和市のお宅にお伺いすると、ご夫妻で道に出て待っていてくださいました。 挨拶もそこそこに、屋根付きの駐車スペースに佇んでいる1800Eのところへ行き、じっくり見せていただきました。 第一印象は、光沢のある塗装とクロームメッキの美しさから、素晴らしいコンディションに保たれているなということでした。 聞けば、1971年(昭和46年)モデルで、走行距離はすでに43万キロを越えているとのこと、しかし、その美しさからはとても信じられませんでした。 それにしても、ボディライン美しさは実車と写真では大違いで、写真で見てわかっていたつもりでしたが、実車を見ないとその美しさは半分もわからないものだということを改めて体験しました。この次はぜひ運転させてください! なお羽澤さんは、1800Eは奥様とのデート用、遊びには国産RV車、通勤にはBMWの2輪というように使い分けられています。 1800Eの前で一緒に記念撮影させていただいた後、次なる楽しみのリスニングルームへと向かいました。

観葉植物がいっぱいのリスニングルーム

英国タンノイ社のウェストミンスター・ロイヤル
タンノイ・ウェストミンスター・ロイヤル
ハープシコードの音色に迎えられて入った明るいリスニングルームは、美しい観葉植物でいっぱいでした。 最初に目に飛び込んできたのは、もちろんタンノイのウェストミンスター・ロイヤルです。 タンノイ製品の魅力の一つには、木工芸術の極致のようなキャビネットの美しい仕上げがあります。 威風堂々としたその姿は英国製品ならではの重厚感に満ち溢れています。 タンノイは奥様がクラシック音楽ファンで、中でも弦楽器がお好みということで決められたそうです。 羽澤さんはジャズファンですが、タンノイでジャズを聴くのもおつなものだとのこと。 キャビネットの上には現在ニューヨークのハイスクールに留学中の末のお嬢さんの写真が飾られていました。

魅力的なオーディオ機器群

魅力的なオーディオ機器群
魅力的なオーディオ機器群
羽澤さんご愛用のオーディオ機器はいろいろとありますが、 マークレビンソンのパワーアンプNo.331Lは左右のスピーカーの間にセッティングされ、 その他の機器は、タンノイに向かって左手のサイドボードの上に集められていました。 サイドボードの上には、マークレビンソンのコントロールアンプNo.380SL、スチューダーのCDプレーヤーD730MKU、トーレンスのレコードプレーヤー128DMarkU、SMEのトーンアーム3010R、ソニーのDATといった魅力的な機器ばかりが所狭しと並んでいます。 レコードプレーヤーは1点支持のインシュレーターを使い、少々凝ったセッティングです。 なお、私のこのたびの訪問に際しては、私がレコード中心であることを知ってフォノアンプをわざわざ自作して準備して下さいました(すごい技術!)。

早速レコードを試聴!

トーレンス128DMarkUとSME 3010R
トーレンス128DMarkUとSME 3010R
この日は、私のお気に入りのレコード7、8枚と少々のCD(ジャズとクラシックが半々とフラメンコギターなど少々)、それにカートリッジを持参しました。 羽澤さんは私が持参したカートリッジをすぐにプレーヤーにセットして、持参したレコードを次々と掛けて下さいました。 先ずはテレマンの室内楽、サンサーンスのヴァイオリン曲、パコ・デ・ルシアのギターデュエットを聴かせていただきましたが、 大型フロア型独特の朗々と鳴るスケール感のある再生音は想像していた通りでした。 バックロードホーン型とお聞きしていたので歯切れの良い音が聴けるのかなと心配していましたが、そんなことはまったくありませんでした。 思っていた以上に明るいというか、ダンピングの効いた明快な音だと感じました。 これはやはりマークレビンソンとの組み合わせによるものかも知れません。もし真空管アンプだったらまた違っていたのではないかと思います。 この音こそ私が、“タンノイをマークレビンソンで鳴らす”と聞いたときから期待していた「私好み」の音でした。

バッハの無伴奏チェロ組曲が絶品でした

マークレビンソンNo.331L(400W+400W)
マークレビンソンNo.331L(400W+400W)
パコ・デ・ルシアのギターデュエットは私が二十歳ごろ買った古いレコードで、私の愛聴盤の1枚です。 ここでカートリッジの聴き比べをしてみようということになり、A面を私が持参したシュアーV15TYPEVで聴き、B面を羽澤さんが最近手に入れられたというMC型のLYRAのLYDIANで聴いてみることにしました。 その結果、新旧の差と言うべきか、MM型とMC型の違いと言うべきかわかりませんが(羽澤さんは新旧の差とおっしゃっていました)、音の輪郭がまるで違うことにたいへん驚かされました。 LYRAのLYDIANはとても掘りが深く、立体的な音を出しているのです。 当然の結果とはいえ、シュアーV15TYPEVは発売された頃は派手で輝かしい音がすると言われていたものであり、隔世の感があります。 続けて、この日一番聴いてみたかったバッハの無伴奏チェロ組曲を聴かせていただきましたが、これも、本当に弦が見えるような音で、 荒々しいチェロの響きを聴くと、タンノイはこの曲を聴くために作られたのではないか思えるくらい素晴らしいものでした。 さらにこの後、ジャズなども一通り聴かせていただきましたが、まったくといって良いほど違和感はありませんでした。

美味しいワインと奥様の手造り料理に感激

スチューダーD730MKUとマークレビンソンNo.380SL
スチューダーD730MKUとマークレビンソンNo.380SL
冒頭にも書いたように、羽澤さんとは私のゲストブックがきっかけでオーディオ談義させていただいてますが、考えてみれば訪問させていただくだけでも厚かましいのに、 この日、奥様は、初対面の私をとても暖かく迎えて下さいました。 奥様は落ち着いた静かな雰囲気の方(同世代とは思えない若さと美しさ!)で、リビングルームを兼ねたリスニングルームには奥様の手作りと思われる飾り物などが趣味良く飾られていました。 レコードを聴くときもできるだけ一緒に聴かれ、話に加わっていただくことができたので、いろいろとお話をすることができました。 奥様によると、羽澤さんは自他共に認める海男で、海にさえいればご機嫌らしく(奥様は高原の方がお好きだそうです)、 それが高じてとうとうクルーザーまで手に入れてしまったとのこと。もちろん機械いじりの好きな羽澤さんはご自分でエンジン整備までされ、先日も八丈島まで行かれたそうです。これまたとても楽しそうなお話です。 それから、帰宅されるとすぐに顔を出されたご長男やご長女の方から、丁寧なご挨拶をいただいたことがとても印象的でした。 この日はあまりにも話が弾んで時間の経つのも忘れ、遅くまでお邪魔してしまいましたが、話はまだまだ尽きませんでした。 お暇する際、ご夫妻は夜の冷え込みの中、訪問時と同様わざわざ外まで出て見送って下さいました。 本当にありがとうございました。 (1998.11.14)


その後

ゲストブック(2002.10.1)
愛用のオーディオ装置(2002.8.18)